みどりの市民活動 現場視察&交流会

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元気な団体の活動現場には、課題解決のヒントがある!緑の現場で活動する方々が集まり、課題解決についてのヒントを得ながら、団体同士の交流を深める機会として本イベントを実施した。イベントでは、メンバーを増やしながら地域と連携し、楽しく継続的な里山保全活動をしている「NPO法人里山プロジェクトみなみ」の活動現場と、市民参加型で作られ、一般社団法人エリアマネジメント南山が運営している「奥畑谷戸公園事務所」を視察。また、東京の緑を守ろうプロジェクトの助成先である3団体の事例紹介や課題解決ワークショップも実施した。

■■イベント概要
●日時:平成29年9月3日(日)10:00~15:00
●会場:稲城市南山、奥畑谷戸公園事務所
●参加費:1,000円(昼食代含む)
●参加者:29名(その他、協力者22名、主催者7名)
●主催:東京の緑を守る将来会議/一般財団法人セブン‐イレブン記念財団/東京都
●協力:NPO法人里山プロジェクトみなみ/一般社団法人エリアマネジメント南山


<スケジュール>
・京王相模原線稲城駅改札前に集合
・里山プロジェクトみなみ活動現場視察
・奥畑谷戸公園事務所視察
・緑の市民活動事例紹介
・ワークショップ&交流会
・助成金の紹介と申請のポイント解説

■里山プロジェクトみなみ活動現場視察

NPO法人里山プロジェクトみなみは、稲城駅から徒歩10分の場所にある里山「南山」で保全活動を行っている。2008年に地権者の協力を得て南山の「桜の広場」の保全活動を開始。2011年には、会として南山の土地「一の森」を購入。長期的な目線で里山保全活動を継続している。また、一の森をイベントや地域コミュニティの場として活用したり、土地開発エリアに植える苗木を育てるなど、様々な主体と連携して活動を発展させている。 現場視察では、代表の多村さん他、団体メンバー計18名で、桜の広場、団体が地主の許可を得て苗木を育てる南山の畑、一の森などをご案内頂いた。   また、同団体が行う取り組みについて、奥畑谷戸公園事務所で発表頂いた。他団体との連携の広がりについての話に、参加者は興味津々の様子で、多数の質問があがった。

■奥畑谷戸公園事務所視察

南山の一部は、奥畑谷戸公園として整備中。公園予定地内にある事務所は、里山の恵みを楽しみ、育み、分かちあうことができる集いの場として、(一社)エリアマネジメント南山によって運営されている。事務所の建屋や家具は、地元の素材をふんだんに使って作られ、庭には稲城の里山で育てられた樹木が植えられている。奥畑谷戸公園は「使いながら作る」をコンセプトに、公園を使う人たち自らが望む公園を自分たちの手で作っていく公園として計画されている。 当日は(一社)エリアマネジメント南山の井手さんから、団体の取り組みなどについてご紹介いただいた。また、現場視察では、木のぬくもり溢れる奥畑谷戸公園事務所の内外を案内して頂いた。


■緑の市民活動事例紹介

①東大和市狭山緑地雑木林の会(東大和市)

東大和市狭山緑地(東大和市立公園)で活動する同団体。1997年に設立し、現在会員数は60名。緑地保全活動を中心に、市と連携したイベントなども実施。年4回発行する会報「夢通信」などにより情報発信を積極的に行っている。山本さんによる「ボランティアは人のためではなく自分のため!」という力強い言葉と楽しい語り口に、笑い溢れる発表となった。


XXX"②武蔵野の森を育てる会(武蔵野市)

武蔵野市内にはほとんど無くなった雑木林「境山野緑地」で活動する同団体。2005年に設立し、現在は会員17人、準会員25人。境山野緑地の南側半分は「独歩の森」と呼ばれ、萌芽更新による再生計画が進んでいる。月2回の定例作業には、会員だけでなく学校と連携して多くの学生が参加している。田中さんのわかりやすい発表に、メモを取る参加者が多数みられた。


XXX"③野の暮らし(国立市)

コミュニティガーデン「みんな畑」を運営する同団体。2009年に設立。年齢やしょうがいの有無などに関わらず、苦しい時、安心して悩んでいられる場、生活の中から確かなつながりと学びを得られる場をつくることを目指し、谷保駅徒歩5分の畑で毎週金曜日にみんなで野菜を育てている。菅井さんの熱い発表に多くの参加者がうなづきながら聞き入っていた。

■ワークショップ&交流会
テーマ「活動メンバーを増やすにはどうしたらいいの?」

ワークショップでは、活動で困っている事を参加者に聞いた。そこで多くの方から出た意見が、「活動メンバーを増やすにはどうしたらいいの?」だった。
そこで、この課題を解決するための方法を、グループに分かれて考えた。その結果、様々なアイディアが生まれた。特に多かった意見が「コミュニケーション」の重要性に関する内容。活動は一人ではなくみんなで行うものだからこそ、楽しみややりがいが生まれる。一方で、コミュニケーションを円滑にするための工夫も大切になる。一期一会の出会いを大切にしたり、新しいメンバーが入りやすい雰囲気を作ったり、時には飲み会をして交流を深めたり。団体の状況によって適した方法は様々だが、みんなが心地よいコミュニケーションがとれる団体は、多くのメンバーに恵まれていることがわかった。

 

イベント中には一部のアイディアを共有して終わったが、ここでは各グループで出された様々なアイディアも項目に分けてに紹介する。

○イベント中に共有したアイディア


・自分のために活動し、まず自分が楽しむ。
・メンバー間でグループをつくらない!
・リーダーは人格者であるべし!おもてなしの心。
・一期一会の関係を大切に、関係をつなぐ。
・若いメンバーを主人公にする。
・初心者ウェルカムの環境を整える。
・学校、PTA、企業と連携する。
・情報発信を強化!
・活動の魅力を高める!
・一度会員になった方は、いつでも復帰できるよう継続して案内を出していく。
・待つのではなくいろんなところに出向いてPR。
・続けてくれそうな友達を選んで誘う!
・飲み会をひらく。
・作業後の懇談の時間で仲を深める。
・全ての出会いのチャンスをものにする!
・地域イベントに参加して、PRする。
・おみやげ(ごほうび)を参加者にくばろう!

武蔵野市に唯一残る雑木林

○各グループで出たアイディア


<メンバーのモチベーションアップ>
・今の人を主人公に
・人のためでなく自分のためにやる
・作業終了時の懇談で意思疎通
・上に立つ人の人格(人がら)。
・市民主導
・シルバー男性ボラには、飲み会をよくやる
・月に1回(第3日曜日など)、軽い食事をする
・気軽な交流のため、お茶、お菓子、お酒を活用(飲み食い)。
・昼食会
・飲み物

 

<初心者をまきこむ>
・参加しやすい簡単な作業から
・体験参加
・会費無料(体験参加)。
・「楽しい!」から入る(散歩、ヨガ、ライブ)。徐々に担い手に
・初心者OK!とレベルアップできます、どちらも
・森の恵み(果実、細工、筍等)で誘う

武蔵野市に唯一残る雑木林

<情報発信>
・情報公開、周知活動
・積極的なPR活動工夫(人のつながり利用、市報、web、イベント参加)
・広報活動をする(こちらから出向く、地域に出向く)
・口コミ
・市民祭などで活動を1人でも多くの人に知ってもらう
・自分の知人の中で探してみる
・広報戦略。時代はビジュアル!見た目、印象で若手を引き付ける
・あらゆるチャンスを活用する(小学校~大学、公民館)
・イベント参加者に活動の説明をする
・市広報などで告知。Facebookでの報告。イベントでの告知。
・活動団体があることを知らない人も多いので、地域の人が参加できるイベントの告知(資料を各施設へ配布)
・SNSで知らせる
・目に触れるイベントに積極的に参加して認知度を深めてもらう
・人とのつながり(口コミ)。講座を通じて。イベント。会報誌。体験会。
・手の届く範囲で活動する。
・まだまだ自分たちのことを知らない人がほとんどだと知って地道に広報
・市民活動サポートセンターや社協の催しでPRする

武蔵野市に唯一残る雑木林

<行政・他団体との連携>
・地域の活動団体との連携
・他団体(違うジャンル)とコラボする
・学校などと連携し、活動に参加してもらう
・大学と連携
・学童との連携
・学生ボランティア(地元の大学のボランティア団体に声かけ)
・行政に協力を求める、行政とのタイアップ。
・近くの会社へ要望(地域貢献)

 

<若手メンバーの確保>
・キーマンとなる若手を発掘する!(生物、自然好きとは限らない)
・若者はどうすれば「今日行く気」になるか?
1.金や食べ物がもらえる2.生活のメリット
・かわいさ、楽しさという現代風のプラスイメージを出す。
・若い人のやりたいを主役に!ベテランは応援団に!

 

<ターゲットを拡大>
・女性をターゲットに!
・年齢をこだわらない
・親子で遊ぶ機会をつくる。環境意識の植え付け
・活動の魅力を高める(ターゲットを決めて)。

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<イベントの実施>
・イベントで巻き込む
・いも煮会
・企業と協働イベント
・昆虫観察会、もみじ祭り、カブトムシ幼虫観察会の年3回のイベントを通して、地域の皆様とのつながりをとる
・楽しいイベントを考える
・芋ほり、下草刈り体験会。
・イベントで会員募集
・イベントのクラフト造りの時は集まる

 

<講座の実施>
・市民講座で興味のある人を集める
・夜間講座での周知
・環境塾卒業生フォロー
・出張授業
・小中学生にチャレンジ(出前授業?)

武蔵野市に唯一残る雑木林

<継続参加のために>
・活動のスタンプカード。
・会を代表する人が率先して活動して、会員が感動して人を連れてくる
・コツコツ続けつつ
・メンバーが楽しく活動する姿を見ていただく
・受益者をはっきりさせる(自然ではなく、未来の子供など)。
・新・旧が一緒に
・人(グループ)がかたまらない

 

<活動のお土産>
・ごほうび
・食べ物
・地域特産物プレゼント
・ゴミ袋(お土産)
・会員の中で女性が多いので、ゴミ袋を(45l)を4~5枚配布する

 

<その他>
・継続していくための事業性
・資金集め

 


■助成金の紹介と申請のポイント解説

一般財団法人セブン‐イレブン記念財団の小野響子さんから、助成金の紹介をしていただいた。また、小野弘人さんから、助成金活用のポイントについてお話しいただいた。