活動実績

近頃、まちなかのちょっとしたスペースを“使いこなし”て、緑ある暮らしを楽しんでいる人々が増えていると思いませんか?

 

将来会議では、まちなかの緑(特に民有地)がどんどんと減っていく中で、 いろんな立場の人々が集まって、楽しく緑の活動をしている事例を探しました。今回、おじゃました「たぬき村」は、マンションの共有スペースとお隣さんのお庭を舞台に、コミュニティガーデン活動をしています。

 

フィールドサロン当日は、お庭を見ながら、どんな経緯ではじまって、家主さんとはどんなお話をしながら活動しているのかなどについてお聞きしました。さらに!こうした緑の活動にうってつけの「東京の緑を守るプログラム助成」の説明会を行いました。

 

■■開催概要

【開催日時】2014年11月3日(月・祝) 14:00~17:00

【会 場】たぬき村(世田谷区砧)

【主 催】東京の緑を守る将来会議

     一般財団法人 セブン- イレブン記念財団

【後 援】東京都

 

■■ プログラム

1.本日の流れ・自己紹介

2.たぬき村 見学

3.みどりのコトはじめトーク&意見交換

guest:矢田 陽介さん(パーマカルチャーガーデン世田谷まくびと 代表)

4.『東京の緑を守ろうプロジェクト助成』のご紹介&質疑応答

speaker:小野 弘人さん(一般財団法人 セブン- イレブン記念財団)

 

☆「 たぬき村」とは?
たぬき村は、東京都世田谷区にあるマンションを拠点に作られた、都市のコミュニティーガーデンです。 持続可能な循環型の暮らしのデザインを追求するパーマカルチャーの考え方を取り入れ、都会ならではの自然と共生できる「暮らし」「コミュニティー」「環境」について近隣の人々と共に考えていける「場づくり」を目指しています。



矢田 陽介さん

(パーマカルチャーガーデン

世田谷まくびと 代表)



■■開催報告

●隣のお庭がコミュニティガーデンに!

当日は、たぬき村の拠点となっているマンションの駐車場に集合。みんなで自己紹介をした後、たぬき村の活動を主幹している矢田 陽介さん(パーマカルチャーガーデン世田谷まくびと 代表)の案内で、たぬき村見学スタートです!

まず向かった先は、、、なんとお隣の家のお庭! マンションと隣接する広いお庭は、家主さん合意のもと、今年から矢田さんたちによるワークショップで庭づくりがスタートしました。柿や柚子などたくさんの果樹が実るお庭には、ワークショップで掘った井戸や、手作りのイスなどが置かれ、ウッドチップの心地よい香りが満ちていました。

 

●マンションの共有スペースで出来ることは無限大!

マンションの駐車場の入口では、近日公開予定の「たぬき村図書館」の準備が進んでいました。地域の人達が自由に本を読んだり借りたり、ゆっくり過ごすことができる場所になる予定とのこと。駐車場の奥には手作りのツリーハウスがあったり、椎茸も栽培中。マンション周辺のグリーンスペースは、栗の木やベリー、ハーブなどが植えられたエディブルガーデンになっています。

住民の記念日に記念植樹を行うこともあるとか。マンションの中の1部屋はコミュニティスペースになっていて、草木染やハーブ教室などのワークショップが行われています。住民が集まって語り合う機会も多いそうです♪

 

●地主さんとの関係づくりと、“ナリワイ”づくりが大切!

コミュニティスペースとなっているお部屋で、矢田さんからこれまでの活動のふり返りや苦労などをお聞きしました。

《たぬき村をはじめたきっかけ》

元々知り合いだったマンションオーナーの娘さんから、「もう古くて貸せない部屋を自由に使っていい」と言っていただき、マンション周辺のガーデンも含めて「たぬき村」という名前を付けて活動を始めた。

 

《活動の拡大》

  • はじめは、元々親交があった仲間と活動していたが、活動していくうちに、住民や近隣の方々が自然と加わって下さった。
  • たぬき村の活動を行う中で、隣家の地主さんと知り合いになった。大きなお庭だけどお手入れが出来ていない状況を、地主さんも気になっていた。そこで、ぜひ手入れをさせてくれ、という事で許可をいただき、今年からお庭を手入れするワークショップが始まった。

 

《活動の問題点》

最初は積極的に活動していたメンバーでも、ボランティアではなかなか活動が継続しない。ワークショップなどのイベントでは人が集まるが、その場限りになり、個人の負担が増加していった。

 

《問題解決のアイディア》

  • 非日常ではなく、日常の中で自然と活動できることが継続のポイント。そこで、近所の方とのつながりを深められるようなお祭りやマルシェなどのイベントを企画した。
  • 活動を継続するには、仕事に繋がることが重要。特に若い人は、それが継続のモチベーションになる。逆に言うと、それがなければなかなか本気になれない。これからは、小くてもいいので“ナリワイ”をつくっていきたい。今は、地域通貨を始める準備をしている。

 

民有地で活用している「東京の緑を守ろうプロジェクト助成」過去助成団体にも話を聞きました。

 

①和田さん(NPO法人里山プロジェクトみなみ

稲城市で里山の手入れをしている。始まりは、地主さんに直接頼んで手入れをさせてもらったこと。活動を通して地主さんとの信頼関係をつくっていった。信頼が得られたことで、地主さんが土地を手放す話がでた時に、団体に買い取りの話をしてくれた。そこで、法人として土地を取得し、現在もその場所で継続した活動を行っている。

 

②中山さん(三輪みどりの会

毎週日曜日に集まって山の手入れをしている。きっかけは、町田市からの声掛けで三輪緑地の管理を始めたこと。そのうちに、市有地の近くにある民有地にまで活動が広がっていった。荒れた田んぼの草刈りをしている地主さんに声を掛けて、手入れをさせてもらえるよう交渉した。そのような直接の声掛けで、どんどん活動範囲が広がっていった。





















東京の緑を守ろうプロジェクト助成」の紹介

この助成金の特徴は、東京都内で行われる緑に関する活動限定、というところ。申請のポイントや申請書の書き方を、助成担当の小野さんに聞きました。

 

<参加者からの質問と回答抜粋>

  • 団体を立ち上げたばかりだけど申請できる?
    →すでに活動している団体も、活動実績がない新しい団体も申請できます。
  • 他の助成金をもらっていても、新たに申請できる?
    →申請する活動内容が別なら他の助成を受けていても申請できます。
  • シンポジウムの開催などは申請できる?
    →東京の緑保全を推進するための普及啓発活動として申請できます。

 

今回のフィールドサロンはこれにて終了です。東京の緑を守る将来会議は、今後も民有地の緑の使いこなしに注目していきます!またのレポートをお楽しみに♪